外国人のモデルオーディションを行った。いつもは私のスタジオで行うことが多いが、今日はクライアントの会議室に出向いた。
今回は、自分の作品としてのオーディションではなく、ヘアメイクアーティストの作品の撮影であり、私のスキームとしては、コンセプトやイメージをカタチにするため、空気感を具現化するための撮影環境つくりと、実際の撮影として参画する。そして、このキャスティングのコーディネイトも含めて。
毎回の事ながら、日本人モデルのオーディションに比べ、外国人モデルのオーディションは、終了してからも疲れない。我が我がというギラギラとした空気感がなく、比較的、気の流れのいい人が集まる。オーディション前に化粧直しをしたり、鏡ばかり見ていることもない。スッピンか薄化粧、普段着、ヒールもない歩きやすい靴ととてもシンプルなパタンが多い。
ブックを持っていないなどというふざけた人もいない。ブックの中の写真のレベルも高い。
選考者に対しても、媚びていない。実に気持ちがいい。
そもそも、オーディションとは実力以上の自分を見せる場ではなく、素材を見せ、如何に自分が演じられるか、化けられるか、変われるかといった潜在能力を見せる場。また、選ぶ方も素材を見て、イメージできる能力が要求される。クリエイター同士の真剣勝負の場でもある。
いずれにしても、モデルオーディションは、絶対的な能力よりも、作風のイメージにフィットするかで決められるので、結果は絶対的でもなんでもない。ただ、傾向としては、私は、気持ちのいい人、クリエイティブな仕事を一緒にしたいか、人生の一時でも共有したいかという観点で選んでいる。