2月14日付けの私のブログに記載した作品の展示作業が行われた。
毎年、テーマが設定されており、今年は ”Neo Baroque” というテーマ。バロック(Baroque)は、16世紀から17世紀にかけての時期でルネッサンスの後。ローマやヴェネツィア、フィレンツェで誕生し、ヨーロッパ全体へ広がる。美術や文化、音楽、建築等の様式。
ちょうど、バロック建築の楕円の天井からの光に向かって、力強く向かっていく像をモチーフとして、ヘアースタイルが施された。蛍光灯や勿論ストロボの無い時代であり、タングステンやロウソクの光を意識しての雰囲気や色合いで作品を仕上げた。モデルのポーズや雰囲気も、ヘアスタイリストさん達とのコンセンサスを取りながら撮影し、アウトプットに至まで、ひとつのコンセプトやテーマに沿って仕上げていった。
モデルキャスティング、撮影、現像、レタッチ、グラフィックデザイン、額装制作作業等に参画した。ヘア、メイク、ネイルの作品であり、美容の専門家が行ったので、その部分では安心することが出来た。
今回の作品は12枚の絵をシームレスに繋ぎ合わせ、ひとつの大きな絵にした。想定外に時間と工数がかかった。1枚1枚を繋ぎ合わせて、違和感無き様に繋ぎ合わせるレタッチ作業が数日間に及んだ。また、最後の展示する行程では、いかにし物理的にシームレスに繋げて展示することができるかに数週間検討し、悩み続けた。
また、マットカンバスへの吹き付けだった為、最後まで色合い、風合いに微調整を強いられた。
下記の写真はプリント乾燥、エイジング行程。スタジオに並べる。
木枠への張りつけ行程。今回は木枠の側面も作品になるので、巻き付けての釘打ち作業、及び、ピタリと横の作品に合わす為に、コーナーの処理に神経を使った。この作業も想定外に時間を費やすことになった。気がつけば、「線路は続くよ、どこまでも」と口づさんでいた。
設営現場に立ち会った。私は寝不足と釘打ちの筋肉痛でフラフラ、ヘロヘロだった。若手の美容師の方々がエネルギッシュに設営を行った。
これらの作品はスタンドアロンでも一つの作品となり、組み合わせると大きなひとつの作品になる。このシームレスな展示方法は企業秘密としたい。展示が完了すると、誰からともなく、現場にいた全員が拍手。
私のお気に入りはこの作品。どっしりとした、なんのポーズも無い、「ザ・ポートレート」と呼びたい重厚感のある作品。この作品のヘアスタイリストの方は撮影時から、あれこれとバリエーションのある撮影をする様なリクエストせずに、構図や表情を絞って、拘りのリクエストをしてくれた。若手で美しい素敵な美容師さん。
これで少しはゆっくりと眠れそう。