先日、声楽家 神田沙央理さんのポートレート撮影を行った。
スタジオに入ってきても撮影慣れしているのか、堂々と自分の世界に入り込みレンズやスタッフを気にせずに自分を表現していた。
ポートレート撮影の際は物撮りと異なり、フォトグラファーはフィギュアーを撮影しているのではく、その人の人柄を捉えようとする。フィギュアであればマネキンに上手くライティングをすればかっこ良くは撮影できる。しかし、撮影される側はそんな事を望んでいない。特に表現者は自分の作風、パフォーマンスを生み出すAttitude, Behaivior, Character のABCを撮影してもらう為にプロの撮影者に依頼する。
芸、作品、パフォーマンス等の表現するものがない方は、右の手は、左の手は、足は、視線はどうするのか等のフィギュアのみに関してカメラマンに尋ねて来る。ポートレートは人を撮影するので、その方の温度を感じたい。
神田沙央理さんは私に一度もポージングや表情に対して質問もなく、指示を乞うこともなかった。多分、自分の頭、ハートの中でイメージができていたのだろう。そして、詩の意味を理解し、その世界に入っていたのだろうと推測してしまう。
撮影衣装は2着。雰囲気を変えて写真に表現してみた。各々の衣装、ヘアメイク、ライティング、風合い等、そして本人の雰囲気に対し、コンセプトの軸をぶらすことなく、表現してみた。
ほんの一部の写真を紹介してみる。
撮影後に彼女のHPを覗いてみた。パリに音楽の修行に4、5年行き、まだ、帰国後1年程度。多分、海外生活経験のある人は上記に記載したABC (Attitude, Beheivior, Character )の意味、重要性、コンセプトを理解してもらえるだろう。3つとも日常会話に頻繁に出て来る単語であり、人を判断する時に使用。特にラテン系(スペイン、イタリア、フランス及びそれらをオリジンとして派生した国々)の方が重要視するコンセプトだと思う。
今思えば、撮影のみならず、彼女にもっと歌の話を聞きたかったな。
神田沙央理さんのHP http://saori-k.com
神田沙央理さんのBLOG http://yaplog.jp/rio_rio/