先日、個人のプロモーションにOLの方がスタジオにお越しになった。今は自分をプロデュース、プロモートする時代。
しかし、一方、撮影側が素敵に魅せる為のポーズや表情といったハウツーをお客様に伝授する傾向にあるのが事実。私はこのハウツーやマニュアル的発想に多少、抵抗を感じる。ポートレート撮影は人を撮るのであり、マネキンの物撮りでは無い。一般の方のみならず、モデルの新人などが、よく脚はどの様にすれば、手はどこに置けばと聞いて来られることがある。しかし、もし、私が絵になるポーズを伝えたり、強引に作ったりした際には、被写体側にとって、それを維持しようとしたりし、頭の中がポーズと表情で一杯になってしまい、自分自身を表現することを忘れてしまう。また、誰もが顔カタチ、スタイル、雰囲気、求めるものが違うので、ポーズは表情を画一的にすべきでは無いだろう。また、作ったプロモーション写真はどこそこ、ギラギラ感が出て、ひいてしまう。
私は最初に被写体になられる方と話し、どんなイメージを目指しているかを伺うことにしている。そして、そのイメージになる様にスタジオ内の雰囲気作りをすると供に、一方で、そのイメージに近づける為の技術的な設定をライトやカメラに伝えることにしている。
そして、何より重要なのは、被写体の方に、ポーズや表情を伝えるのではなく、頭の中に色々と設定してイメージして頂くと、結果として、最適なポーズと表情になっている。
色々な用途があるので、真正面からのもの、オン的、オフ的と使いやすいものを撮影した。私は案外、この写真の様な写真が好きかもしれない。自然でハウツーやマニュアルでなく、自発的な表情やポーズだと思う。
Y.Nさん、色んな目的によって撮影した写真を使い分けて下さい。また、お会いしたいですね。