先日の6月9日エントリーの「ギャラリー紹介ビデオ」に引き続き、今回はスタジオ紹介のビデオをアップしてみる。文京区小石川の住宅地の中にあり、ギャラリーの2階にある。自分なりのポートレート撮影に対する想いをデザインしてみた。このスタジオへは2008年に移転し、その後も少しずつマイナーチェンジを繰り返して来た。
フォトスタジオを大きく分類してみる。スキームで分けると、「写真館」と「レンタルスタジオ」(及び学校/企業内スタジオ)のいずれか。作りで分けると「白ホリゾントスタジオ」と「ハウススタジオ」の2種類。
従来の写真館や特設スタジオにありがちなのはバックドロップ形式。このタイプのスタジオの弊害は紙や布のバックドロップの場合、折皺、タタミ皺、足元の汚れが出やすい。また、斜めから撮影したり寝転んだりした際に被写体が背景から脱輪したり、壁に寄りかかったりのポーズが出来きず、被写体の立ち位置も決まっており、撮影表現がかなりの限定される。皆、同じような写真に仕上がる傾向にある。その為、バックドロップを使用しないスタジオ設計をした。
壁自体にアールを持たせた白ホリゾントのスタジオはシンプルな写真が撮れ、私の一番のお気に入り。ライティングによって、背景を白〜黒の色に変化でき、且つ、色を付ける事も出来る。色合いも固定のカンバス地のバックドロップの様に一定ではなく、被写体の雰囲気や着物の色によっても変化させたり、ミックスにする事もできる。
ポートレート撮影の場合は人物重視であり、シンプルに人物が浮き出る様に撮影したい。ただ、白ホリゾントのみならず、更に写真にバリエーションを持たせる為にハウススタジオ的な要素を加え、より立体感、奥行き感、カジュアルな写真表現できる様にした。その場合も派手な壁やカーテンにすると飽きが出やすいので、白を基調として、各々な壁に微妙にテキスチャーを付けてみた。要は白ホリゾント+ハウススタジオにしてみた。これにより360度が背景になりうるので、バリエーションある写真撮影が出来るだけでは無く、子供やペットが走り回っても制限が少なく、シャッターチャンスを逃す事が少ない設計になった。
壁、床、天井全て白が基調なので、光が良く回り、柔らかい光になる。逆に陰影を付ける時は黒板や黒布を使用して光をカットしていくというスタイル。
このスタジオを作る際に、内装業者に意を説明するも、殆ど私の思いや考えが伝わらず、結局、職人さんに「自分でやって」と言われ、筆を取り上げて自分でペンキを塗ったり、自分の手で漆喰を塗ったりした事を思い出す。人のイメージや思いを具現化するのはフォトグラファーのみならず、表現者として生命線であり、自分自身も日々、研究し、取組んでいる事。
こうして自分のスタジオのムービー制作をしてみると、色んな想い出が蘇り、いい機会になった。「想い」を具現化してスタジオというカタチに「出て」来る事を『想い出』というのだろうか。さあ、これからもお客様の想い、自分の想いを写真というカタチにしていい『想い出』を創っていこう!
全然、別件だが、映像作家のまるやまもえる氏が玄光社のビデオサロンの特集で、当社スタジオを使って撮影したビデオカメラの撮り比べ YouTube ムービーを発見した。参考までに添付してみる。