2ヶ月半ぶりのブログ更新。
「皆様、ご無沙汰してごめんなさ〜い ♡」などと、自称モデル、ミスコン出場者やSNSの中での自称アイドルの様な勘違いな書き出しをする気も無い。
ログインの方法すら忘れ、余計な時間がかかってしまった。
さて、標記のテーマで何度かブログ記載している。今回も少し前(寒くなり始め)の撮影になるが自分の中で存在感のあった作品を掲載してみる。
よく、「想いをカタチに」というが、続けて「・・して、人に伝える」事があらゆる表現活動で必要な事だと思う。自己が満足しているだけでは唯我独尊になってしまう。かと言って、感性の異なる誰でも万人に伝える事ができるのか、伝えるべきなのかとも思う事がある。しかし、大事な事はコンセプトの筋を通し、ぶれない事であり、結果として作品を見た感性の近い人には伝わり、感性の遠い人は説明を聞けば想いが伝わる可能性が高まるのだろう。
私は自分の仕事の中で、難度や性質で大きく3つに分けていて、対応する。自分のエネルギーの掛ける度合いでは無く、必要な技術やエネルギーの質が異なり、優劣は付けていない。ただ、クリエイティビティーの度合いの違いがあり、それがバリューと考える事もできる。
「自分の想いをカタチにする事」とはアーティストの仕事、「他人の想いをカタチにする事」はクリエイターの仕事、「図面をカタチにする事」はオペレーターの仕事。
へアメイクの作品撮影の場合は私が主体ではなく、私は抽象的なオーダーに対してイメージ合わせと技術を融合していく作業を行っていく。へアメイクの方は自分の世界観やアイデアをしっかりと持ち、モデルとフォトグラファーに伝えようとする。その行為が尊いので、私はその気持ちに応えようとする。30歳も年齢の離れた学生の感性をまず理解しようと話を聞く事から始まる。
限られた持ち時間の中でイメージ合わせからシャッター切りまで行うので、話を聞いている途中で既にライトのスタンドを動かしていたり、レンズを換えたり、機材調整を行わなければ間に合わない。でも作品の優劣と持ち時間は関係なく、1日かけたからといって “wow !”的写真が撮れる訳でも無い。時間で狙いや幹の部分が変る事は無い。その部分がしっかりしていると、時間があると詳細の完成度が増すだけで方向性は何ら変わらない。
いくつかの写真をテーマと合わせて紹介してみる。
“Sweet Girl” 甘い雰囲気のメイクを白いショートケーキの様に表現し、赤いリンゴの差し色が印象的だと思う。
“ぬけ感、すけ感” シンプルにそして不思議なボケ味で表現してみた。
“ひねくれ” モデルの方が斜に構えている様子がいい味だしている。
“Masochism” 私の発想では生まれない作品。スタイリング、表情、ポージング全てシンプルでいい。
“nuddie” なんか全体の色合いやモデルの雰囲気がコンセプトを貫いているかなと。
“Backstage” 本番前の楽屋イメージのオーダーで最初はリップを塗っていたシーンを撮影していたが、私の提案で映画の本番の様な風合いなってしまったかもしれない。私は好きなんですが、オーダー通りだったかは不明。
“ギターを弾く女” この依頼者の好きなところはイメージだけではなく、シーンまで明確だったところ。バンドグループでの練習シーンで他のメンバーと目を合わせて笑顔になるという設定。本当にギターを弾いてもらって撮影をしたので、臨場感があった。
” モダンガアル” このオーダーは昭和初期に田舎から都会にやって来て、銀座の写真館で写真撮影したという設定。依頼者のテーマ用紙に記載された文字までアンティークモダンなフォントでマジックで書いていたのが印象的。そして、私が右から左に文字を書けば良かったのにと発言して笑っていたのも思い出す。
“darkness of mind” 心の闇から希望が見えるという設定だったので、全体のトーンを落とし、顔を上向きにして光を部分的に光を当ててみた。
“crow” へアメイクやスタイリングはコンセプトを貫いているので、精一杯にカラスを表現してみた。
ほんの一部の作品だが、共通している事は、コンセプト、イメージ、シーン、ストーリーがあり、へアメイクや衣装というスタイリング、そして、モデルのポーズや表情まで作者として統一すべき事は全て行っている。そして、モデルとフォトグラファーに想いを伝え、本気にさせている人柄だろうか。
私が写真表現できたのかは別として。