タンゴシューズの撮影を何度か行っているので、再度、紹介してみる。Angelinaというブランド。タンゴ本場のアルゼンチンからの輸入ものなので、タンゴダンサーの動きを知り尽くしている作りなのだろう。普通のタウンシューズに比べて足の動きに添って靴全体がしなってフィットするのが違いか。
以前にも一度、ブログに掲載(2011年11月16日)したことがある。そしてシューズの品質を中心にコメントをさせて頂いたので、今回は写真撮影の観点から記載してみたい。
物撮りをする際にも心掛ける事は「モノにもキャラクターがある」という事。そしてその世界観やストーリーをどの様に表現していくか。毎回、最初に撮影する靴達をじっくりと眺める事から始まる。何足あっても飽きない写真にしたいので、ダブらない様に設定を考える。
具体的には、
1)まず靴達をイメージやコンセプト毎にグルーピングしてみる。そして自分なりにキーワードを入れてみる。例えば、”カジュアル” ”セクシー” ”ナチュラル” 等々。
2)そこからデザインや色合いによって、さらに形容詞をつけてみる。”どっしりとした風合い” ”明るく楽しく気軽に” 等々。
3)それらの目指すイメージを基に、頭の中で出来上がり写真(ターゲットイメージ)を作ってしまう。
4)ターゲットイメージに対して具体的に、限られた環境の中で場所(スタジオやギャラリーの背景)、モデルの爪の色やストッキング、小物、ライティング、使用レンズ等を設定する。
5)物のみの場合は置き方、モデルが履く場合はポーズを含めて構図を作って、撮影を実施する。
■ 靴に小物を入れてみた場合
■ 靴を主体に、人を入れてみた場合
■ 人が実際に履いてみて、自分が履いた事をイメージさせたい場合
■ 撮影中のオフショット
上記の3)が出来る迄が悩み、4)以降は既に持っている自分の技術と結びつける作業だけ。プロと呼ばれるカメラマンって、誰でも基本的な撮影技術を持っているので、ディレクションさえあれば誰でも撮影できると思う。設備や機材の差は確かにあるが、それ以上に大きな差が出るのは、「ディレクション力」かも。
ディレクションの入る撮影って自分の感性を裸にされている気がする。「普段から人やモノを見てイメージする力を付けるべく、自分のフレームを拡げ、発想に壁を作らない様に心掛けて生活していかないと、枯れ果ててしまう。」 と撮影をしながら感じた。
話は変るが、タンゴシューズってとてもお洒落で素敵だなって。タウン用途で使用できないのかな。
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