過去、何度かブログにて紹介させて頂いている美容専門学校の学生によるへアメイク作品撮り。
数年前から当社スタジオにて、へアメイクをして、その後、写真撮影を行っているが、学生達のレベルは著しく向上してきた様に思える。
学生による作品撮りの主旨は「想いをカタチにする」、つまり各々が自分でテーマ設定を行い、学生達がそのテーマに沿ったモデルを友人に依頼し、衣装も段取りして、へアメイクを行い、写真に残すというもの。テーマ設定には制限が無く、ターゲットとするイメージは各々学生達の個性や感性によるもの。つまり自主性が重んじられる。
数年前はコンセプト、モデル、衣装、へアメイクがバラバラであったり、スタジオに入るなり「カメラマンさんにお任せします」という学生も多く、また、モデルの方へ自分の想いが伝えられなかったり、モデルの方も照れて撮影にならない事も多々あった。しかし、ここ2、3年は皆無というくらいレベルが上がって来た。
また、従来はへアメイクの作品撮りと言えば、ヘアーカタログ的な写真、つまりヘアーやメイクの記録やサンプル的な写真をイメージする学生が多かった。その為に顔やヘアーのみのクローズアップで、とてもポートレートというよりもマネキンの物撮りという写真をオーダーしてくる場合もあった。今は世界観が重視される事は全員が理解している。
撮影者である我々フォトグラファーも学生達の熱意に応える為にスキルアップを図って来た。感性もさる事ながら、学生達の作品意図を論理的に理解し写真というカタチに展開していくスキルが身に付いて来た様に思える。
春から夏にかけて撮影した作品のほんのほんの一部を紹介してみる。
これらの写真を作風別にカテゴライズして一覧にしてみた。へアメイクの観点ではなく、写真の風合いの観点として。
私は写真の作風としてはシンプルを好む(へアメイクの作風としては、折角の作品撮りの機会なので、より個性的でよりデコラティブなのを好むが)。コンセプトがしっかりした作品、被写体力がある場合はシンプルであっても写真として成立し、より作者の想いがストレートに伝わりやすい。
逆にコンセプトや被写体に力が無い場合はシンプルだと写真として成立せず、背景やライトに色を付けたり、小物をごちゃごちゃと写真の中に入れ込んで初めて写真として成立する。
工夫をした素うどんやペペロンチーノがいい。具が多すぎると何を食べているか分からなく、誰を撮っても大差なくなる。素材力を味わうためにも。