着付けの集大成である写真集制作

先日、美容師/着付師である吉住正子氏の集大成としてのオリジナル写真集が仕上がった。

タイトルは『伝え残したい 粋』。この表紙は吉住氏の自筆の作品を写真撮影して再現したもの。

このプロジェクトは2年前からお話を頂き、吉住氏の着付けのコンセプトである「粋」な着付けをカテゴリー毎に写真と文章で纏めたもの。全体のコンセプトを詰めながら、吉住氏自ら着付けと美容を行って、当社スタジオにて撮影を数回実施してきた。そして編集段階でも打合せを繰返し、製本してカタチとなった。

「江戸時代に普段着として着られていた着物の原点である『粋』な精神を伝えていきたい」という想いからこの写真集を纏められた。

撮影をしていても氏の着物や着付けに対する拘りを感じる事が多くあった。裏地や衿等の表だって見えない箇所にさりげなくおしゃれをする粋な着付けを見せて頂いた。そして、印象的だったのは、撮影現場でどのパタンにするのか、どちらの写真がいいのかという場面でも、迷う事なく即答される決断力。拘りと決断力はさすがにプロだと感じた。

今は美容室を経営され、娘さんやお孫さんも美容師になられ、確実に氏の「粋」な精神が伝えられている気がした。

通常、1冊から制作できるオリジナル写真集は、記念写真や家族写真が多いが、今回の様に自分の想いを伝える写真集は素敵だと思う。何かを伝えたいという想いのある方と一緒に仕事が出来きた事はいい経験になった。

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