Jim と Tom

ふと昔のことを思い出すことがある。何がきっかけでもなく。

アイオワにあるFort Dodge 高校に通っていた頃に、JimとTomという友人がいた。

Jimは、フットボール部で一緒で、体がでかく、いかつい奴だった。Tomはフットボールシーズンが終わった後に入った水泳部で一緒だったもの腰の柔らかい優しそうな奴だった。

私が、水泳シーズンで校内記録を作った際に、学校新聞を見て知ったのか、Jimは私に「日本人の少年にしたら、よくやったね」 ( “Good job for japanese boy! ” )と差別的な発言をする嫌な奴だった。

一方、Tomはいつも、「Hiroyuki 今度の夏休みにはOkoboji Lakeへ連れて行ってあげる」、「○○へ連れて行ってあげる」と優しく声を掛けてくれた。

結局、Jimとは水上スキーやドライブをして良く遊ぶことになった。嫌な奴ではなく、言葉での表現力はないが、心優しい男だった。一方、Tomは口だけで、一度もどこかへ一緒に遊びに行ったことがなかった。私は彼に、自分自身で日本語で《嘘つきトム》というあだ名をつけた。

もう30年も前の青春時代の話である。二人は今頃どうしているのだろう。

ギャラリーにあるパキラが毎日、新しい葉を出し、楽しませてくれる。

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