美容学校学生のヘアメイク作品撮り

7月下旬に美容学校の学生達の作品撮りを当社スタジオにて行いました。

今回は2年生であり、彼らにとって、この取り組みは2度目です。よって、作品を仕上げていく為のアプローチ方法の基本は理解されています。1年目の作品制作を行った際の各々が感じた課題を解決し、1年間のヘアメイク技術の向上も伴ない、皆、自身を持って臨まれた事だと思います。

作品撮りはヘアカタログの様な物撮り写真とは全く風合いも意味合いも異なります。

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ヘアスタイルやメイクをフィギュアとして見せるのではなく、世界観を伝える事こそが作品撮りの全てです。

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もし、ヘアカタログ的な写真であれば、モデルではなく、トルソーでも可能です。そして、モデルには表情もあればポージングもあります。

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衣装もアクセサリーも、背景も撮影場所も世界観を伝える要素です。

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まず、コンセプトワークから始まります。私は、「伝えたい事」=「コンセプト」と捉えています。

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そして、頭の中に明確に目標とする写真(Target Image)を思い浮かべます。作りながら見えてくるのでは、コンセプトの筋がグラグラになり、全ての要素(ヘアメイク、スタイリング、ライティング、構図、表情/ポージング等)がバラバラになります。いい作品を作る為には、全ての要素を一気通貫させて、都度そのステップ毎に品質管理とアートディレクションする事がアプローチの唯一の方法です。

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テーマは制限される事、強要される事はなく、全くの自由です。各々が自分の世界観や伝えたい事/表現したい事をテーマに選択します。学生であれば、準備期間が1ヶ月だとすれば、1ヶ月の作品ではなく、20年間の人生の生き様や考え方、人生観、世界観を含めた20年間をかけた作品です。

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そして、各作品にタイトルを付けます。ここにも世界観やセンスの差が出てきます。優劣はありません。差異があるだけです。個性の差です。もし、優劣があるとすれば、独創性です。

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コンセプトワークがきちんと行えるともう、作品の8割は終了したのと同様です。あとは各ステップのアートディレクションです。最初がモデル探しです。モデルは美人やイケメンを探す事が絶対的では無く、自分の作品のコンセプトに合った個性の持ち主を選ぶ事こそが絶対的です。

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並行してヘアメイクデザインを作ります。コンセプトに合致して、且つ、オリジナリティーを持って行う事は絶対条件です。

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次のステップがスタイリングです。冒頭にも記載しましたが、作品撮りはヘアカタログでは無いので、衣装、アクセサリー、演出小物まで全て含めて伝えたい世界観を創り込んでいきます。

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そこまでが準備作業です。撮影当日は、当社1階のフォトギャラリーを特設ヘアメイク会場にしており、そこで準備します。この時点で作品主であるヘアメイク担当の学生はモデルに作品コンセプトを伝えます。ここで勝負が分かれます。ここでモデルと作品の世界観を合致させておくと、スタジオではスムーズに表情やポーズが自然と出来ます。

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そして、2Fスタジオで撮影を行います。今回も私含め2名のフォトグラファーで対応しました。フォトグラファーに徹底しているのは、フォトグラファーがアートディレクションする作品では無く、ヘアメイクアーティストである学生達がアートディレクターも兼務して作品主を行うという事です。まずは作品主の作品コンセプトを聞き、理解する事から始まります。そして、担当フォトグラファーによって作風やスキルにバラツキが起こらない様に、「求める風合い」と「撮影技術」を適切にアクセスする様に体系的、論理的に落とし込んでいます。

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当社スタジオ SODA PLAZA の基本的な作風、根底にあるスタイルは、ストーリー性のある写真(=映画の様なシネマライクな写真)、品性が感じられる写真、被写体が主張し過ぎずに風合いに溶け込む写真。そして、撮影方法は白ホリゾントをイメージによって色や風合いを変化させ、決して安易に背景紙を変えずに、ライティングを重視し、光と影でグラデーションや模様まで作り込んでいきます。一般的なアンブレラやソフトボックスだけの明るい全方位ライティングよりも、被写体のキャラクターや全体の風合いを重視するスポットライトの組み合わせ系のライトを得意とします。光をいろんな形や風合いにコントロールするアクセサリーを多種多様に揃えて、ストーリーにあった光と影を創り込んでいきます。

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作品撮りで大事なのは、作品主がモデルやフォトグラファーとコミュにケーションを取り、協業する事です。

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関連スタッフを本気にして、クリエイティビティも引き出して、いい化学反応を起こさせる力が作品主の優劣になります。

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作品撮りを通して、自己表現する事の楽しさ、自分の想いをカタチにして人に伝える事の素晴らしさを感じていただければという願いで、毎回、フォトグラファーとしてその手伝いをさせていただいています。

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いろんな若者の感性に触れ合える事を楽しみにしております。

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