去る11月12日(土)に「ポートレート作品撮り」ワークショップ 〜作品撮りを通して表現力(感性×技術)を広げよう!〜 を実施しました。
↑写真は今回のモデルの五十嵐カオリさん(所属事務所:アデッソ)。ワークショップで逆光にして光を回して撮影したもの
対象は撮影中級者以上であり、最低限、露出設定の理論を理解されている方で、プロとして活動されている方、プロを目指して準備している方、ハイアマチュアな方等でした。
今回はスタジオでのストロボを使用してライティングを中心に画づくりをしていく考え方やワークフローを体系的且つ実践的に行う内容で実施しました。今回の作品の共通テーマは “Feminine & Airy “であり、作品撮りをケーススタディとして進めて行きました。
最初に受講者の自己紹介から始めました。「写真との関わり」や「自分が課題として学んで行きたい事」を各々に話して頂きました。少人数制で実施しているので、可能な限り、各々に有益な内容や情報を提供しようと思い、各人の興味を掌握する為です。
モデル撮影の実践を通して体得して頂こうと思い、最初に座学をせずに、スタジオでいきなり課題撮影を行う事にしました。この季節の15時半くらいは当社のスタジオには外光は殆ど入りません。そんな環境で、「午前中に窓から光が入って来る様な風合いで撮影するにはどうしたらいいのでしょうか」という問いかけからスタートしました。露出の原理原則、且つ、応用の要素が入った問いかけです。写真撮影で画づくりをする際には最初にターゲットイメージを頭に浮かべ、そこから逆算して技術面を組み立てている事が大事です。ライティングに関しては、アプローチ方法の筋を立案して行く事からはじまります。
対象が大勢であるセミナー形式では、講師がライティングのデモを行い、受講生はその素晴らしさに感心する様な内容になりがちです。しかし、少人数制だとゼミ形式で、自分達が考えを交わしながら目標に向かってアプローチしていく事ができます。「仮説」 → 「実験」 → 「検証」 というプロセスを体験し、頭とカラダの両方で体得していくのが狙いです。
そして、話し合った内容に基づいて、各自、撮影して検証していきました。
私も撮影してみました。
また、画づくりをする際に大事な事は、撮影者とモデルの双方が同じイメージを頭に描く事です。そのストーリーに基づいてライティング設営し、モデルとストーリーを共有すると、モデルも自然に表情、ポーズ、視線のコントロールを自発的に行えます。場所、季節、時間帯、人物設定等の具体的なストーリーを共有して撮影するトレーニングを行いました。
現場ワークフローの習慣付けの為、撮影現場でライティング設定をする際に決めて行くべく事を反復しました。
そして、構図やイメージの違いによるモデルのポージング、表情、視線のコントロールについても説明する事ができました。
可能な限り、撮影の順番待ちの方へは撮影現場での Tips 等も伝えて行きました。
Profoto B1というバッテリー駆動のストロボを使用してのワークショップなので、コードレス環境でライティングを作る際のストロボ移動も楽で、シンクロケーブもありません。且つ、LED仕様なので、ヒートレスであり、アクセサリー交換の時間待ちも無く、効率良く進行できました。
色んなシチュエーションでストーリーだてた撮影を体験して頂きました。
最後は「お疲れさま写真」を皆で撮影しました。
ワークショップ終了後、ティータイムで色々と意見交換や交流を図りました。受講動機、感想、今後行いたい事等の皆の意見も伺う事ができました。
そして、スタジオで話した内容や撮影実習をした、一見、断片的な内容を整理し、点と点を線で繋げてもらおうと【作品制作のワークフローとアプローチのポイント体系図】の書類配布しました。
モデルの方も一緒に「撮影のイメージ作りの為の事前準備事項」「現場で会うカメラマンの特徴の違い」「ポージングの際に心掛ける事」等のお話を伺う事もできました。
(こんな自分の意見をしっかりと纏めて人前で話せるモデルの方とまた、一緒にいつか仕事をする機会があればと思いました。)
毎回、違ったテーマ設定で作品撮りのケーススタディを行い、画づくりのレパートリー(自分の引き出しの数)を拡充して行ける様にしたく計画しています。「継続は力なり」
参考:Portrait School サイト
Portrait School Facebook Page
追伸:「受講生の皆様、お疲れさまでした。皆様の感性と触れ合う事が出来き、楽しい時間を共有する事ができました。ありがとうございました。」