ポートレート撮影ワークショップのレポート

1月28日(土)にポートレート撮影ワークショップを行いました。レポートしてみます。

このワークショップの概略は、スタジオでのストロボを使用して光をコントロールし、毎回の撮影テーマにそって、ライティングを中心として画づくりをしていくという内容です。形式としては少人数制のインタラクティブな参加型且つモデル撮影を通しての実践的、考えながら画づくりをしていき、仮説、実験、検証、フィードバックを繰り返して行くというゼミ形式です。

最初に参加者にワークショップの進め方や狙いのポイントのみを説明しますが、できる限りモデルがいる間は、モデル撮影の時間に活用したく、セミナー形式の時間は短くする様に心掛けています。

そしてスタジオ内でモデルの方を前にして臨場感のある中で広義の意味でのライティングを中心な画づくりやイメージをカタチにしていくプロセスや手法を体系的に説明しました。

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今回のテーマは “Mode & Stylish”。アプローチとしては最初にそこからイメージされるターゲット(目標)となるイメージ(画)について皆が意見を出し合い、設定し、軸がぶれない様にします。このテーマで撮影する場合の用途や目的から使用レンズから露出設定の内容、使用ライティングツール、そして構図までを逆算していきます。

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ただ、”Mode & Stylish” といっても、色んなコンセプトのブランド/雑誌があり、求める画は一つではありません。フォトグラファーとしては、ブランド/雑誌のコンセプトや世界観を写真表現としてカタチに落とし込んで行くには、バリエーションのある画づくりのレパートリーを自分の中に持っておかなければならないので、時間の許す限り、テーマにそった範囲でのライティングによる画づくりをして行きました。

具体的には、ストロボ本体に取付けるアクセサリーの違い、同じアクセサリーでもグリッドやディフィーザーの有無、距離、角度、スタジオでのモデルとライトと壁とのポジショニング等によってどの様に異なるのか等を仮説を立て、参加者全員で考えながら、ライティングを作って行きました。

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そして、露出設定の際に如何にヒストグラムを活用していくのかを、カメラ設定とヒストグラムの読み方、ヒストグラムの最も注意しておくべきポイントやそのアジャスト方法等も説明しました。

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どんなテーマにも共通する、人物撮影の際の基本的な構図と、その構図を素早く実現する為の測距点の移動等は前回のワークショップでも説明しましたが、ファンダメンタルであり、毎回、反復エクササイズをします。私はこの構図の原理原則は30年前にベネズエラに留学中に夜間にモデル学校に通っていた時期があり、そこで叩き込まれました。そしてその各々の写真構図に求められるポージングを含めて。それをモデルでは無く、フォトグラファーという逆の立場で活用しています。ファンダメンタルは流行では無く、普遍であり、例外への対応は基本点から移動させて行きます。

少人数制のいいところは、一人一人撮影しながらも、その間にも個別の質疑応答や個人に合わせて説明できる事です。

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ライティングを作って行く際にのプロセスと手順を自分の中に習慣として叩き込んで行くと変化球がやってきても対応しやすいです。

メインライト以外にサブライトでデザインをしていく場合のタイミングとメインライトとのバランスやモデルの髪型や服装によってのサブライトの活用法等も説明しました。

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撮影した内容をパソコンへ無線LANで飛ばしているので、直ぐに検証とフィードバックができます。そして、その場でその画にあった適切なRAW現像のポイントも。

撮影したライティングバリエーションのほんの一部のみの写真を紹介してみます。

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モデルの方に衣装チェンジをしてもらいました。被写体の雰囲気が変ると当然、求められるライティングも変ってきます。

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限られた時間内で効率良く多くのバリエーションのライティングを行い、参加者がモデル撮影に集中できたのは、設備的観点からは2つの理由です。

ひとつはコードレス環境です。カメラ〜ストロボ間はProfotoのAir Remoto/Sync(トランスミッター)で普通のトランスミッターだとストロボ側にも受信機を取付ける必要がありますが、Profoto製ストロボには本体に受信機能が内蔵されており、外付け受信機を省略できます。また、無線であってもカメラ側のシャッタースピードを落とす必要もなく、画像端がケラれる事はありません。電源〜ストロボ間はバッテリー駆動ストロボであるProfoto B1を使用しているので、電源コードは不要なので、電源位置や電源コードを気にせずに妥協なくストロボを動かせます。トップライト操作はブームスタンドを降ろしたり脚立に乗らなくても Air USBとパソコンソフトウェアの Profoto Studioによってパソコンをジェネレータ代わりにしてコードレスで集中コントロールさせています。また、カメラ〜パソコン間はキヤノン 1DX2+トランスミッターの無線LAN環境にて画像を即時にパソコンへ飛ばしています。

もうひとつは、Profotoの豊富なライトシェーピングツール(ストロボアクセサリー)の使用です。導入前はカポック/レフ/ディフューザー等を組み合わせて使用していましたが、アクセサリーにその機能が既にあるので、変えるだけです。これは上記2つの理由によって、効率的になり、モデルと向かう時間や画づくりをイメージする時間が創出され、撮影に集中できる様になりました。

最後に「お疲れさま写真」を参加者の皆と撮影してみました。

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そして2Fスタジオから1Fギャラリーに移動し、カフェタイム。談笑を楽しみました。
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のはずが、熱心な参加者からは質問やコメントが。終了後で自由参加なのですが。

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ワークショップ内で行った事のサマリーも行い、断片的そうな事も線で繋げ、行った事の位置づけや意味合いを整理していくのに、この時間が役立てればなと思っています。

また、次の機会が楽しみです。告知は、追って、ポートレートスクールのサイトのワークショッップページ:http://portrait-school.com/workshop.html#portrait-wsやFacebook Page:https://www.facebook.com/Portrait-School-345293742212924/ にて。

今回のモデル:Beata (Schonberg Models) ハンガリー(ブタペスト)出身 17歳

追伸:今回の参加者の皆様へ
 「今回行った画づくりのバリエーションを自分の中で体系化して、頭の中に整理してアーカイブしておくと、必要時にアクセスしやすいと思います。また、今後、ファッション雑誌等の写真を見る際は、写真分析して最低限、グラフィックとして撮れる様に練習しておくといいかと思います。そして、ブランド/雑誌イメージと写真の関係性を見出して、自分の中に上記同様にアーカイブしておくといいかと思います。
 このブログを読むだけでは分かりにくい部分も多いかと思いますが、参加された皆様には理解して頂けたかと信じております。お疲れさまでした。」

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