ゴーギャンと言っても、国立近代美術館で開催中の展示会に行ってきた感想を書く訳でもない。私が特に作風に関して影響を受けたわけでもないし、語らせても詳しくもない。『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』などと語ることも紐解く能力も私にはない。
私が知っていることは、ごく表面的なことで、南仏でゴッホと暮らしていて、その後、タヒチで自分の楽園と出合ったということ。
私は1986年にモノクロの写真現像とプリント技術を学び、感光時間や手の平や紙への液体の塗り方等を工夫して使用し、色んな風合いの作品を創ったのを思い出す。時を経て、2003年からは完全にフルデジタルワークフローに移行した。デジタルでの表現の広がりを感じた。当時は色々な画家の模写を行ない、デジタルでの筆の表現にも挑戦した。すると画家の筆使いが各々異なることが次第に理解できてきた。多くのことを学ぶことが出来た。ヨーロッパの美術館では、イーゼル持参で模写を許可するところがあると聞くが、それが理解できた。
下記の絵は、全て写真のパーツから成り立ち、素材を組立て、デジタルの筆で描いていった。2004年の作品で、全てマウス仕上げた。
原画は「死霊は見守る」(1892年) by P.Gauguin
興味のある方は原画と比べてください。