ポートレート撮影ワークショップ (2019.10.19) 実施レポート

去る10月19日(土)に開催しましたポートレート撮影ワークショップをレポートをします。このワークショップでの習得事項の狙いは、1)ポートレート撮影をする際のアイデアのヒント、2)画作りのポイントを知る、3)目標とする写真表現に向けてのワークフローの理解と体得の3点です。それらを毎回設定されたテーマをケーススタディーとし、モデル撮影の実践を通して体得していくメソッドです。3ヶ月に1度のペースで行なっています。特にリピーターの参加者にとっては、画作りの法則、ワークフローのパタンに体で気付き、どんなテーマでも共通する軸の部分を学べるので、自分のオリジナル作品を撮る際には応用が効きます。

 

第13回目の10月19日(土)のテーマは、「ウェディングドレスをクリエイティブに撮る」でした。最初に参加者に机上で画作りのポイントを図解して説明しました。そして、すぐに実践として、モデル撮影に入りました。

 

まず、何らアートディレクションの工夫をせずにモデルにホリゾントの前に立ってもらい、アンブレラ1灯で、且つ、モデルにストーリーも説明せずにシャッターを押してみました。

web_DP_0157

 

web_DP_0160

これってどうなんでしょう。適正露出で、ドレスの柄が白飛びで潰れる事なく、表現されています。そして、ドレスのディテールが表現されていて、且つ、顔が暗くなっていません。一般的に写真としては成立します。また、モデルの宣材としても成立します。ただ、この写真であれば、何らの差別化は図れず、訓練を受けたフォトグラファーであれば、誰でも撮影できます。写真にアートディレクション、個性、味、工夫、演出が欲しいところです。

 

次に、スタジオの窓際で撮影しました。秋の夕刻なので薄暗い外光ですが、露出設定や風合い、色合いにおいて工夫してみました。

web_DP_0200

 

撮影していると自称、看板犬の狆のふくちゃんがスタジオに乱入してきました。

web_MG_0532

 

すっかりモデルになついています。キスもしました。そして、一緒に撮影してみました。

 

web_DP_0180

 

 

次に最初の写真と同じ場所ですが、モデルにもストーリーを伝え、画作りにおいても、ライティング他、モロモロ工夫してみました。

web_DP_0227

 

 

 

私が好きな風合いです。そして、ドレスの特徴を活かしたポーズもとってもらいました。

web_DP_0249

 

さらに、もう一工夫して、風合いを追求していきました。写真の風合いを追い込んでいく際、モデルにも世界観を共有していく必要があります。風合いと表情やポージングを一致させて行きます。もっとも良く無いのが、モデルは常に自分の宣材写真の様に自己表現をし、フォトグラファーは自分の好きな画作りを2者別々に自己表現していく事です。アートディレクションをする人がコントロールしていきましょう。

web_DP_0295

全体の世界観の統一はあるものの、微妙ですが、演出が異なっています。今回はワークショップなので、訓練として、色々な表現をしてみました。通常、同一モデル、同一スタイリングでは風合いをチェンジする事はあり得ません。

次に、モノクロ演出をしてみました。

web_DP_0346

 

モノクロでの写真表現をする際は、最初から決めておきます。「撮ってみて、現像してみて、モノクロがカッコイイからモノクロにしよう」的な発想は、ちょっと◯◯イです。まず、頭の中にターゲットイメージを作ります。モノクロの特徴を活かした、モノクロ現像を前提としたカラー写真撮影を行います。

web_DP_0351

 

web_DP_0359

上の白い写真同様、モノクロ写真もワークショップなので、限られた時間で効率的に進めていく為、微妙に風合いを変えています。

 

参加者にはタイミングが合えば、個別にもRAW現像の狙いと方法、撮影写真カテゴリー毎のパラメーター設定のポイント等を伝えています。少人数制ならではのメリットです。

 

web_MG_0564

 

次の設定に向けたモデルへの仕込み中。ここでもふくちゃんは参加しています。

web_DP_0366

 

最後の画作りです。次は空を背景にして、風に吹かれているイメージで撮影しました。

web_DP_0436

 

ここでは、表現したい空の色合い、風合いを作るプロセスを体験してもらいました。

web_DP_0442

 

今回、大きく分けて3種類の写真を撮りましたが、共通しているポイントは、ドレスのディテールは白潰れさせずに表現する事です。ウェディングドレス撮影の際、柄を溶ける様にボカすのはアリですが、飛ばすのはナシです。クリエイティブな写真を撮る場合でも生命線は押さえたいです。

 

という事で、一番上の最初にシャッターを押した、普通の写真との違いを体験してみました。参加者の皆さま、お疲れ様でした。

 

これらの写真の作風や世界観が気に入った方、気に入らないけど自分の写真表現のヒントにしたい方、作品制作の際のアイデアの出し方に興味がある方、演出のワークフローを体験してみたい方は是非、次回以降、ご参加ください。

 

model : NADIA (aNmoda)


次回のポートレート撮影ワークショップは、2020年1月25日(土)です。

テーマ:”おとなのガーリーフォト”

ポートレートスクール URL : http://www.portrait-school.com/

参考_過去のワークショップ撮影写真:http://www.portrait-school.com/report.html

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です